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いい会社への経営戦略、事業承継に強いコンサルティング会社サクシードの市川です。

事業承継問題は今後日本経済が成長する上で、対策を講じなくてはいけない問題の一つです。

現在、日本で行われているM&A(中小企業含む)は一体、何件ぐらい実施されていると思われますか?

日本で唯一、M&A件数の統計をとっているレコフによると、2019年は約4,000件です。

私の主観では、レコフが把握していない小規模M&Aも多数存在しているので、実際のM&A件数は、6,000件程度であると思われます。

この件数は多いのでしょうか?それとも少ないのでしょうか?

潜在的に後継者不在の中小企業数は、127万社と言われていますから、全く足りていないと言えるでしょう。

以前から、日本政府は株式譲渡にかかる税金を優遇施策を実施したり、納税時期を猶予したりと対策は少なからず打ってきました。

しかしながら、成約件数は一向に伸びません。

そして、ついに中小企業庁から「第三者承継総合パッケージ」が令和元年12月に発表されました。

この承継総合パッケージに掲げられている、第三者承継(M&A)の目標件数は、10年間で60万者(6万者×10年間)とされています。

現在、多くて6,000社ですから、年間目標60,000社というのは、約10倍にする目標だということです。

その目標からすると、現在のM&Aアドバイザーの量だと全く足りませんし、行政を含めて革新的なインフラを整えないことには実現不可能であると言えます。

今後、この6万者という目標件数を実現するにあたって、現状の課題解決策は以下の3つであると言えます。

①譲渡案件のオープン化

事業の売り案件に対して、現在は過度な守秘義務が掛けられています。今後は、誰が見ても後継者不在というのは周知に事実だし、第三者承継を希望するというのが秘密にしなくても普通のことという時代がくると思われます。

②マッチングサイトの有効活用

約10倍の目標件数を達成するには、M&アドバイザーがひとつひとつの案件を管理し、マッチングを達成するという方法では不可能でしょう。マッチングサイトを有効活用してスピーディなM&A実行プロセスが進むことが必要です。

③M&A取引の簡素化

M&A取引は、「金融のるつぼ」と言われるくらい複雑な金融知識を必要とします。しかしながら、会社の担当税理士を含めてなかなか知識不足で実際のサポートができないことがほとんどです。今後は、M&A取引の簡素化が進むと思います。契約書の雛形や、M&Aプロセスにおいてのパッケージ化が進むので、アドバイザー業務へのハードルが下がり、アドバイザーがいなくても直接取引によるM&Aが必要になると思われます。 最後まで、読んでいただきありがとうございました!