いい会社への経営戦略、事業承継に強いコンサルティング会社サクシードの市川です。

中小企業の事業承継問題が、毎日のように新聞に掲載されるようになっています。経済産業省と中小企業庁の試算によると、2025年には日本の中小企業経営者のうち約70%の245万人が70歳を超えると予想されています。

この事業承継問題は、後継者がいれば問題ないと思われているが、実際の現場では後継者がいても適切な時期に後継者へ継ぐことができていないことが多いといえる。

ここでは、実際にどんなタイミングで後継者に引継ぐべきかを書いていきます。

①後継者が社員から、ある程度の信頼を得ているとき

先代社長が創業社長の場合、そのカリスマ性を超えることは一生ありません。ですので強調したいのは、「ある程度」という点です。

私が思う「ある程度」とは、新規事業などの立ち上げを経験していたり、後継者と同年代の社員から信頼を得せられている状態を指します。

決して全社員からの信頼ではなくていいと思います。むしろ、全社員から信頼がある場合、後継者に経営が引き継がれたあとに経営に対する考え方に循環が生まれなくなり、よい成長戦略が描けなくなることがあります。

私は、少し組織にストレスがかかるくらいがいいと思っています。

②先代社長の威光がまだ強いとき

後継者に引き継ぎが行われると、協力会社等の取引先や従業員は不安になることが多いです。

その不安定な期間の支えになるのが、先代社長です。ですので、まだ威光がある段階で引き継がないと、支えになることすらできないです。

体調不良などで体が弱くなる前に引き継ぎ、まだまだ元気な段階で引き継がれることがベストであると言えます。

③後継者独自のコミュニティを築けたとき

一昔前の社長さんは、商工会の集まりや地区内の事業者の団体などで、経営者同士のコミュニティを形成していることが多いです。

しかしながら、現代ではリアルな会合や活性化している団体が少なく、経営者同士のコミュティが減少しています。

経営者独特の孤独感を乗り越えるためには、同じよな立場のコミュニティを持つことが有益です。

そういった意味で、後継経営者が独自の人脈を少しでももっている状態が、経営を引き継ぐタイミングとして良いと言えると思います。

この①~③の条件が絶対に必要というわけではありませんが、ひとつでもあると良い引き継ぎができる可能性が高まると感じています。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。