とちぎ経営人財塾第6期 特別講義となる伊那食品工業株式会社 特別視察会が来る12月1日に行われました。
当初は6月の実施を予定しておりましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて2度の日程延期を行い、12月の実施となりました。
現地集合現地解散で実施し、万全の感染症対策が取られた視察会となりました。

本視察会は例年、とちぎ経営人財塾の現役受講生およびOB・OG企業の関係者のみが参加されておりました。しかし今期より、一般参加者の募集も執り行い、結果として20名を超える方にご参加いただきました。

伊那食品工業株式会社様は長野県伊那市に位置し、日本の寒天業界におけるトップシェアを誇ります。社員と地域住人に愛される経営の真髄を学ぶべく、トヨタ自動車株式会社を始めとした全国各地の企業が視察に訪れています。

例年と異なり、冬の時期の視察会となりました。幸い天候に恵まれ、美しいかんてんぱぱガーデンを巡ることができました。


初めに、日本初の寒天レストラン「さつき亭」にて、寒天メーカーならではこだわりの寒天を使用した料理やデザートをいただきました。彩り豊かなメニューに、参加者の皆様も非常に喜んでおられました。

次に、弊社代表水沼より、かんてんぱぱガーデン内の見どころのご紹介をさせていただきました。かんてんぱぱショップや健康パビリオンなどの他、当社の社員様が使用されている掃除用具入れやガーデン内にある石碑など、現地ならではのポイントを解説させていただきました。


そして視察会の最後に、伊那食品工業株式会社 代表取締役社長 塚越英弘氏よりご講演を賜りました。

塚越氏は講演の当初、コロナ禍においても伊那食品工業の取り組みは平時と全く変わっていない、とおっしゃられました。なぜならば、決してブレることのない会社の「あるべき姿」が根底にあるためです。

当社の社是(会社の経営上の方針や主張を意味しています)は、

いい会社をつくりましょう
〜 たくましく そして やさしく 〜

です。「いい会社」とは、単に経営上の数字が良いということだけでなく、会社を取り巻く全ての人々に、日常生活の中で「いい会社だね」といってもらえるような会社のことです。伊那食品工業株式会社の企業経営の目的は、「自分たち社員を含め、すべての人々を幸せにすることです」とご講演の中で伺うことができました。

では、いかにして当社は「いい会社」であり続けているのか。
ご講演いただいた内容から、実際の取組みを一部抜粋してご紹介させていただきます。

  1. 営業会議の場では、社員が集まって未来のことを話す。数値(過去)のことは話さない。
  2. 同じことを社員全員で行う機会を作ることで、信頼関係づくりを行っている。
  3. 人事制度は、年功序列で運用している。

一見すると、どの取り組みも昨今の潮流とは異なっているように見受けられます。しかし、このそれぞれが当社の「あるべき姿」に基づいた取り組みです。それぞれの取り組み内容を聞いていた受講生の皆さまが、時に驚きつつ、時に大きく頷きつつ、講演に聞き入っていた様子が非常に印象的でした。

また、ご講演後の質疑応答の時間も、受講生から多くの質問が飛び交い、非常に熱気のある時間となりました。塚越社長に直接質問をされたい方は、ぜひ来年6月頃に開催予定の特別視察会にご参加いただければ幸いです。

塚越氏はご講演の締めくくりに、
「年輪経営とは、持続すること。持続するためには、毎年少しずつ会社が良くなっていかないと。」
とお話しされました。

本視察会のレポートが、貴社の「経営のあるべき姿」を考えるための一助となれましたら幸いにございます。
最後までご覧いただきありがとうございました。