IT事業部の山田です。

先日サービス提供を開始した「Google しごと検索」。前回の新井のバトンを受け、今回はGoogleの検索結果に自社のWebサイトの求人情報を表示するための方法について紹介します。
例として、「既に自社サイトに採用情報を掲載している」ケースを説明していきます。

(1) 構造化データを準備する

Googleが推奨している「JSON-LD」という方法で、構造化データを用意します。

構造化データとは、採用情報に必要な項目を整理して、Googleのアルゴリズムが理解しやすい形式で整理されたデータのことです。つまり、勤務地や勤務時間、職種、給与、休日などの労働条件などをまとめたもので、「JSON-LD」とはそのまとめ方のルールを指しています。

例として、弊社のWebディレクター求人だと、こういうものになります。

構造化データには「hiringOrganization(会社情報)」「jobLocation(勤務地)」「baseSalary(給与)」などの項目が設定されています。
Googleしごと検索に掲載するために最低限必要な情報は、以下の6項目になります。(2019年2月4日現在)

title(職種)
hiringOrganization(会社名)
jobLocation(勤務地)
datePosted(投稿日)
validThrough(有効期限)
description(求人詳細・募集要項)

これらの情報は、Googleしごと検索の画面では、以下のように表示されます。

title(職種)

職種の名称で、求人情報のタイトルではないことに注意してください。
「営業職」「ドライバー」「システムエンジニア」など、職種の名称のみを指定し、その他の情報は含めないようにします。

hiringOrganization(会社名)

情報提供している組織名。
今回の例では自社で運営しているwebサイトから、自社の求人情報を掲載していますので、自社の名前を指定すればOKです。
会社名の他に、webサイトのURLや企業のロゴ画像URLの指定が可能です。

jobLocation(勤務地)

従業員の職場となる場所の情報を掲載します。
国、郵便番号、都道府県、市町村などできるだけ詳細に指定してください。
複数の勤務地がある場合は、配列形式で複数設定すれば大丈夫です。

datePosted(投稿日)
validThrough(有効期限)

求人情報を投稿した最初の日付を指定します。
また、求人情報に有効期限がある場合には、期限切れになる日付を指定します。

※Googleの説明では、有効期限がない場合は指定しないように書いてありますが、後述する「構造化データ テストツール」では、有効期限の指定がない場合、エラーが表示されます。

description(求人詳細・募集要項)

求人についてHTML形式で記載します。
(職務、資格、スキル、業務時間、学歴に関する要件、経験に関する要件など)。description と title を同じにすることはできません。

さらに、構造化データには次の項目も指定が可能です。

baseSalary(給与)

給与の通貨、基本給の額、最低額・最高額、年給/月給/週給/日給/時給が指定可能です。

employmentType(雇用形態)

以下の項目から選択します。複数選択も可能です。

“FULL_TIME”(正社員)
“PART_TIME”(パートタイム、アルバイト)
“CONTRACTOR”(個人請負)
“TEMPORARY”(派遣)
“INTERN”(インターン)
“VOLUNTEER”(ボランティア)
“PER_DIEM”(日雇い)
“OTHER”(その他)

求人情報を表示するためには、例で示したJSON-LDの構造化データを書き換えることで用意できます。
用意した構造化データは、Googleが提供している「構造化データ テストツール」を使うことで検証やプレビューを確認できます。

構造化データ テストツール

https://search.google.com/structured-data/testing-tool/u/0/?hl=ja

(2) 構造化データを埋め込む

テストツールでJSON-LDに問題がないことを確認できたら、求人情報を表示している自社サイトWebページのソース内に構造化データを埋め込みます。

自社ページの表示には変化はありませんが、この構造化データをGoogleが認識した時点で「Googleしごと検索用のデータがあるから表示させよう」と判断し、Googleの検索結果に表示されます。

(3) 注意点

構造化データは、1ページに付き1つの職種にするべきでしょう。
(indeedの場合は、勤務地が違う場合もページを分ける必要がありましたが、Googleしごと検索では複数の勤務地に対応できるようです)
求人サイトのトップページや、求人情報一覧ページではなく、各求人詳細ページにそれぞれの構造化データを埋め込む必要がありますので、構造化データを作成する前にページを分割するなどの準備が必要になる場合もあります。

また、Googleのサービスですので、Googleのガイドラインに準拠する必要があります。
https://developers.google.com/search/docs/data-types/job-posting?hl=ja#guidelines

Googleしごと検索をうまく活用すれば、求職者との接点は増加します。
これまでの求人のあり方を変えるかもしれない、この「Googleしごと検索」、まだまだ対応している企業は少ない状況だからこそ、一足先に導入してみるメリットはあると思います。
採用戦略の一部として、導入を検討してみてはいかがでしょうか。