いい会社への経営戦略、事業承継に強いコンサルティング会社サクシードの市川です。

日本にとって国家的な問題であった事業承継問題は、このコロナショックにより表面化するタイミングが早くなるだろうと言われています。

中小企業の経営戦略においては、M&Aは有効な戦略ですがうまくいかない事例も多いのが実情です。

実は、一般的なM&Aの成功確率(成功の定義が曖昧ですが)は、3割程度と言われています。

では、なぜうまくいかないのかを、私のM&Aアドバイザーの経験からお伝えしようと思います。

M&Aは、大きく区分けすると「する前」「する時」「した後」に大別することができます。

まず、「する前」にしたほうがいいことは、なぜM&Aをするのかを明確にすることです。

M&Aは目的ではなく、手段です。

事業戦略を検討する中で、なぜM&Aが必要で、なぜ自社での立ち上げを選択しないのかを明確にしないと、いざ買収した後に「こんなはずじゃなかった」となることが多いように思えます。

次に、「する時」にしたほうがいいことは、納得するまで調査すること(デューデリジェンス)と、価格交渉(なるべく安く)といえるでしょう。

買収前監査と呼ばれるデューデリジェンスは、法務、財務、労務というカテゴリーで実施する事が多いですが、専門家に丸投げするのではなく、ここを知りたいを明確にして調査し、納得するまで進まないことをお勧めします。

また、価格交渉についてはなるべく価格を抑える交渉をすることがいいでしょう。

このコロナショックを見てもわかるように、事業はリスクゼロにすることは難しく、思ったような業績が残せないと大きなストレスになります。

うまくいっている事例をみると、価格交渉は粘り強くやっている印象があります。

最後に「した後」ですが、これはPMIマネジメントという領域で、M&A成功のために一番大切な工程です。

別の価値観で運営されていた事業体がひとつの会社になるのですから、簡単にはうまくいかないことが想像できると思います。

うまくいっている事例をみると、最初の100日間が重要だと思います。

新体制になることで、なには変わらず、なには変わるのか。どのような仕組みで運営していくのかを、従業員全員に納得させる必要があります。

この最初が中途半端になると、お互いが不幸になります。

「こんな人じゃないと思っていた」「もっとこうだと思っていた」は、買い手のメッセージ力が不足している場合やコミュニケーションが不足していることが多い気がします。

この課題は、やってみないとわからない領域で、なかなか教科書どおりにはいかない部分です。

一度、上記部分に注意しながらM&Aにチャレンジしてみて、多くの学びを得られれば、2回目のM&Aはスムーズにいくはずです。

失敗から多くの学びを得ることがとても重要ですからね。

最後まで、読んでいただきありがとうございました!